頭痛外来

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頭痛について/慢性頭痛



筋緊張性頭痛

慢性頭痛の中で最も多いタイプの頭痛です。

精神的なストレスや同じ姿勢で作業するなどの身体的ストレスが引き金となります。

この頭痛は肩から背中にかけての僧帽筋や頚から頭の後ろにかけての後頚筋群、頭の両側にある側頭筋群など頭の周りの筋肉が収縮することによって起きこれらの筋肉が過剰に緊張すると筋肉内の血流が悪くなり、乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまりその結果痛みの神経が刺激され頭全体を金属の輪で締め付けられるような頭痛が生じます。

年齢層は中高年者層に多いもののストレスの多い現代では小学生から高齢者層まで幅広い層に認められます。

筋緊張性頭痛の治療上重要なことはまず引き金となっている精神的ストレス、身体的ストレスを上手にコントロールしていくことです。

言うのは簡単で実際ストレス解消が難しいことはわかっていますが、時間を見つけて適度な運動や頚部周囲のストレッチをしたりすることで頭痛の頻度を減らすことはできます。

薬物療法としては筋弛緩薬、抗不安薬、抗うつ薬などを使用し頭痛が強いときのみ消炎鎮痛薬を用いるようにします。

●筋緊張性頭痛に潜む頚椎病変

筋緊張性頭痛は頚や肩から背中にかけての筋肉が過剰に緊張することによって起きますがこのような筋緊張を引き起こす裏に頚椎病変が隠れている場合が少なくありません。

頚椎の並びが悪い場合は頚周辺の筋肉への負担が強くなり筋緊張を引き起こしやすくなるため筋緊張性頭痛の原因となります。
 また頚部痛、後頭部痛に腕や手指のしびれが伴っている場合は要注意です。

頚椎の椎間板ヘルニアや頚部脊柱管狭窄症などの可能性があり、放置した場合手指の運動機能障害や膀胱直腸障害(尿が出にくくなる、便通が悪くなるなど)が出現し時には手術が必要となることもあります。

たかが肩凝り、頚部痛と甘く見ていると頚椎病変を見逃すこととなりますので注意しましょう。


片頭痛

肩こりからくる頭痛をご参照下さい

頭の片側、もしくは両側が「ズキンズキン」「ガンガン」「ズキズキ」と脈打つように激しく痛む頭痛でその痛みは日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

発作は一度起きると数時間か2〜3日間は続き通常月に1〜2回、時には週に1〜2回の頻度で出現することもあります。

頭痛が起こっているときは、音や光に敏感になり周りがうるさく感じる、急にまぶしいところに出たりすると痛みがさらにひどくなるなどの特徴があります。

原因は諸説ありますが血液中の血小板から放出されるセロトニンという神経伝達物質が関与していると考えられています。

このセロトニンが大量に放出されると脳の血管は収縮しますが出尽くすとその反動で脳の血管は急に拡張しその刺激によって血管周囲の三叉神経の末端から炎症物質が染み出て神経の炎症が血管の周囲に引き起こされ、同時に急激に拡張した血管によって周りの三叉神経が圧迫されて痛みが大脳に伝えられます。

このセロトニンの大量放出を引き起こす引き金になるのが心身のストレス、月経、排卵、空腹、寝不足、寝過ぎ、人混みなどがあります。
 さらに片頭痛の中には発作の直前に目の前がチカチカする閃輝暗点などの前兆が伴う場合があります。

治療は発作時にはエルゴタミン製剤やトリプタン製剤を用います。
  また発作軽減の予防薬としてカルシウム拮抗薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗セロトニン薬、β遮断薬(降圧剤の一種)などを症状に応じて使用します。


群発頭痛

ある一定の時期に集中して起きる頭痛で発作の起きる時期(群発期)は人により大体決まっていますが季節の変わり目に多く、1〜2ヶ月の間は毎日のように決まった時間帯(主に就寝後や明け方)に耐えがたい頭痛に襲われます。

頭痛の特徴としては片方の目の奥が激しく痛むのが特徴的でキリで目の奥をえぐられると表現されるほどの頭痛があります。
 女性に多い片頭痛の逆で二十代〜三十代の働き盛りの男性に多く見られます。

原因は明らかになっていませんが内頚動脈という目の後ろを走る太い血管の炎症によって引き起こされると考えられています。
 体内時計との関与が指摘されており何らかの原因で体内時計に乱れを生じると内頚動脈周囲に張り巡らされている三叉神経に痛みの情報として伝えられその情報を受け取った三叉神経が痛みの原因物質を血管周囲に放出するために内頚動脈が拡張し炎症を起こし痛みが生じると考えられています。

治療はトリプタン製剤を使用します。

また発作時に酸素吸入を行うと改善することがあります。

群発期の予防薬としてはエルゴタミン製剤、カルシウム拮抗薬、副腎皮質ステロイドなどを内服することにより発作の頻度を下げることができます。

なお群発期にはアルコール、喫煙は頭痛を悪化させるので控えましょう。


薬物乱用頭痛

鎮痛薬や片頭痛の頓服薬として用いられるエルゴタミン製剤の常用により引き起こされる頭痛です。

頭痛の機序としては頭が痛くなるたびに鎮痛薬を服用し初めは月に1〜2回だった鎮痛薬の服用が少しずつ増えて気付くと毎日のように飲まなければいられなくなってしまうことがあります。
 鎮痛薬により痛みが誘発され徐々に薬の効く時間も短くなりまた痛みにも敏感になるため不安から鎮痛薬が手放せなくなるという悪循環になります。

ひどい場合にはこうした状況のため抑うつ状態になりますます服用のコントロールができなくなるという状況に陥ることもあります。

治療は頭痛の原因となっている薬を中止するところから始めます。

薬物乱用頭痛の患者さんは複数の頭痛薬を内服しているうちにどの薬が効いているのかわからなくなっている場合が多くまず薬を中止し、その後元の頭痛のパターンを確認した上で本来の頭痛に対しての予防薬を基本にした治療を行うかたちとなります。

この頭痛の予防には頭痛薬の使用を一ヶ月で10回までにとどめることが重要です。自己判断で市販の頭痛薬を乱用しないよう気をつけましょう。

○複雑な慢性頭痛の病態

上記のように慢性頭痛を大まかに分けることができますが、実際は片頭痛と筋緊張性頭痛の混合型頭痛など慢性頭痛の病態は複雑で、境界線が引けないような頭痛のタイプが結構多いのが現状です。

10人慢性頭痛の患者さんがいれば10人とも頭痛の病態は少しずつ違い、従って頭痛薬の内服方法も一人一人違います。

安易に頭痛薬を常用し効果がないからといって飲む量を増やしたり複数の種類を内服したりすると治るものも治らなくなります。

またほとんどの場合日常生活の中に頭痛の誘因となっているものが潜んでいることがあり、それが何なのかを認識し可能ならば回避することにより頭痛の頻度を少なくし頭痛をコントロールすることができます。

まずご自分の頭痛がどういうタイプの頭痛なのか見極めていくことから慢性頭痛の治療は始まるのです。

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